社長がヒアリング、設計、そして社長が家を造る・最終回

見せかけの安い坪単価で、お施主様が検討をする間もなく契約を急ぐ『ローコスト住宅メーカー』。基本工事は安くても、オプション工事,見積もりに含まれていない工事,追加変更工事等を加算して行くと、最終的には結構な金額になってしまいます。

家はだれのために建てますか…?。住宅メーカーの都合で建てて良いですか…?。何の知識もないうちにいわれるがままにベルトコンベアーに乗せられたようにいつの間にかに契約してしまっていた…?。これで本当に良いですか…?。

家は、一生のうちにそう何度も建てられるものではありません,ほとんどの方が一度です。同じ金額の住宅ローンを支払うのであれば、より過ごしやすく、ランニングコストも少なく、家を造る途中にいろいろ意見を取り入れて家を造ってもらえる家づくりの方が良いと思われませんか …?。

全国展開しているローコスト住宅メーカー,地元のローコスト住宅メーカー。共通しているところは、大工工事の期間が約一か月しかないという所です。家の納まりを一定にし、朝、現場に到着すると同時にフル回転で仕事が出来る内容にしなければできる事ではありません。

『見ない』『聞かない』『考えない』付け加えて『振り向かない』の4つを徹底しなければなせる業ではないのです。『見ない』は、図面をいちいち見なくても仕事が出来る内容。『聞かない』は、現場監督やお施主様にいちいち伺いを立てない、お施主様の意見を聞くことなく仕事を進める。『考えない』は、どの仕事をするにあたっても考える…という無駄な時間を使わない。最後の『振り向かない』は、ローコストがゆえに当然使用している材料が安く入手できる物なので,プロの目から見れば『ううっ,これは…』と思う材料であっても振り向かずに仕事を進める…という事を徹底することです。

私が,いつも最初の打ち合わせの頃にお施主様にお話する『運動会』での例え話ですが、大工さんの工事期間をおよそ一か月で済ませる家を100メートルの『徒競走』の競技とすれば、私が造っている家は100メートルの『障害物競走』と『借り物競走』を合わせた競技です。

『障害物競走』の意味は、一軒,一軒の家がまるで異なり、あらゆるところで『納まり』を考えなければならない。現場監督に聞いてからでないと仕事が進められない…等。『借り物競争』の意味は、現場監督どころか、お施主様に聞かなければ仕事が進められない…という所です。

例えば、月曜日の朝一番に疑問点があって現場監督に尋ねたところ、現場監督が『この件については、お施主様に伺ってみないと判断出来ない…』として、お施主様に尋ねてみると『週末にならないと現場に寄れないので、土曜日まで待ってほしい…』というケースがあったとすれば、その部分の仕事については一週間待たないと出来ません。この事こそが『借り物競走』のようだと私は思うのです。

私は、いつもこの100メートルの『障害・借り物競走』をごく当たり前のように行っていますので、この事を『苦』に感じた事がありませんが、何時も『見ない・聞かない・考えない・振り向かない』の徒競走しか経験のない人にはとても出来ない事であろうと思うのです。

決してどちらが良い,悪いを言っている訳ではありません。どちらが良いかを選択されるのは『お施主様』です。ただ、私は、人生でただ一度の家づくりであるならば『自分の希望が反映された家,自分が伝えたことが実際に出来上がって行く』という,本当の『オーダーメイドの家づくり』を選択されたほうが良いのではないか…と思うのです。

次回からは、違う内容のことをお伝えしたいと思います。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です