『松尾式』『西方式』小屋裏エアコン・床下エアコン設置住宅・19

お客様から頂いたDVD3枚目・第25項目(松尾氏解説)

『カビが生えにくい住宅にするための8つの方法』です。

①相対湿度70%以下、梅雨除湿、夏冷房、冬低温度部を作らない、(梅雨時期から夏にかけて湿度60%をキープする)。

②冬場、家全体を温かくする事で低温度部を作らない(高気密・高断熱住宅を勧める)。

③樹脂窓を使用する事で、下枠温度を高く保つ。

④浴室はカビが生えやすいので、月に一回天井を掃除する。

⑤網戸は綺麗にしておく。

⑥エアコンは定期的に清掃する。可能なら加熱除菌機能が付いた機種を選び、週に一度除菌する。

⑦無垢のフローリングを使用する。床下エアコンで暖房する。

⑧洗濯物は、洗濯籠に入れておき、洗濯をする時に洗濯機に入れる。

以上の8つです。

高気密・高断熱の住宅を造れば①②③は解決します。④⑤は掃除好きの人でない限りは中々難しいと思います。

⑥安売りのエアコンは除菌機能はついていないと思いますし、よほどこまめな人でない限り難しいと思います。

⑦床下エアコン設置住宅を希望しない限りは無理と思いがちですが、高気密・高断熱で高性能な住宅を建てれば大丈夫です。

⑧は今日からでも可能です。

この項目の説明にはとても大切な事が脱落していると思います。それは、調湿してくれる建材を住宅に使用する事がいかに大切か…を伝えていない事です。日本の古来から建てられている住宅は我が国の蒸し暑い夏をいかに過ごしやすく過ごすかを旨に造られていた…という事がどこにあるかという説明が欠落しています。

日本古来から建てられていた住宅は、基本的に木と竹と土と漆喰で造られ、軒を深くし、風通しを良くし、何よりも重要視したのが『土』による『調湿作用』です。湿度が高い時は土が湿気を吸ってくれ、反対に乾燥時は土が含んでいる湿気を放出してくれていました。気密という概念はありませんでしたので隙間風が入り放題の住宅でしたが『結露』は無縁の住宅でした。

高気密・高断熱住宅を造るので『調湿』はあきらめなければならない…ということはありません。現在は『土』よりももっと調湿作用がある『セルロースファイバー』という断熱材があります。断熱材と言えば『グラスウール』と決めつけているから『調湿』という事に気が付かないのだろうと思います。30坪程度の住宅で天井と壁に吹き込むセルロースファイバーの量はおよそ1,5トンにもなります。セルロースファイバーを吹き込んだ所を透湿可能な『無垢板』や『漆喰』などで仕上げれば断熱材がしっかりと気が付かない間にもしっかりと『調湿』という仕事を24時間休みもなくし続けてくれています。

セルロースファイバーを使用して建てられて、『透湿できる素材』を使用する事の重要さをしっかりと把握して建てられた住宅は、『屋外から家に入った時の清々しさ』と生活している時の『空気のきれいさ』が違います。『空気のきれいさ』は生活しているだけでは判りませんが、同じ時期に建てられたお友達の家に訪問して自宅に帰った時に判るという事です。