本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…17

グラスウールよりも断熱性能が良いボード(板)状態で販売されているポリスチレンフォームやフェノールフォームは主に柱や梁等の構造体の外部に張る『外張り断熱工法』で使用されていると思います。熱伝導率が高い(熱を伝えやすい)鉄骨住宅や蓄熱量が多い(熱を貯める)コンクリートには是非にでも採用していただきたい工法です。

柱や梁などの外部に断熱材を張る『外張り断熱工法』は、断熱の観点だけで考えると断熱効率は一番だと思います。しかし、一番になる為には断熱材の外部側で完璧な気密が取れている事が肝心・肝要な所です。外張り断熱工法で万が一気密が取れていないとするとそこから侵入した冷気や暖気は何も断熱抵抗がない室内に到達してしまいます。『外堀を埋められた大阪城』状態になる訳です。

外張り断熱工法はは、平成12年にある住宅本がきっかけになって全国的にブームになりました。その当時は断熱等級4の次世代省エネルギー基準でしたので壁の断熱材は第3種の押出しポリスチレンフォーム50ミリを張っていました。柱の外部に50ミリの釘もビスも効かない発泡スチロールが張ってあるため、重い外壁材を打ち付ける為の胴縁を長いビスで締め付ける様に留めます。

断熱材が50ミリの時でも外壁をビスのみで止めることに対して『モーメント』がかかるのでお勧めは出来ない…等という意見もありました。私が施工をさせていただいた外張り断熱張りの家はモーメントの事を考慮してマニュアルよりも多くのビスで止めました。施工後20年以上を経たお客様の家をリフォームさせていただいた時に外壁を剥がしてみましたが何も異状はありませんでした。

その外張り断熱工法も今後は問題が出そうです。続きは、次回にします。