社長がヒアリング、設計、そして社長が家を造る・12

上棟日は、お施主様との重要な打ち合わせの日になります。お施主様もこれまでの平面図や立面図等、図面の中の判断しか出来なかった事が、棟上げを境に立体的な空間を感じ取ることが出来るようになり、より具体的な打ち合わせをすることが可能になります。

棟上げの当日は,休み時間でない限りは危険ですので建物内に入ることが出来ませんが、二~三日後であれば建物内に入って実際にコンセントの位置等を体感しながら決めることが出来ます。

工事施工の方は、棟上げ,屋根じまい、耐力用面材である『ダイライト』等を打っていきます。この間私がすることは、耐力用面材のくぎ打ちの確認や構造金物の指示、床面、壁面、屋根面等、建物全体の気密施工です。気密施工は特に入念に行います。外気に面する床、壁、屋根、それぞれの場所で、釘の打ち損じの穴や柱と床合板の僅かな隙間、ボルトの貫通穴まで完全に埋めてしまいます。

この工事が終われば、大工さんは一旦現場を離れます。三~四日離れている間に電気配線と水道配管を行います。電気・水道工事が終われば断熱材である『セルロースファイバー』を吹き込む下準備をします。

『セルロースファイバー』は、専用のセルロースマシーンで吹き込みます。天井や壁に吹き込むために『セルロースシート』を張ります。天井上にふかふかに吹く『積もらせ』は、天井に張ったセルロースシートの上に約三十センチのセルロースを吹いて積もらせるだけですのでシートに圧力がかかるわけではありません。壁になると天井に積もらせたようなやり方ですと断熱性能不足になるとともに、セルロースファイバー自身の沈下が起こります。

断熱性能不足にならない、また、沈下が起こらないようにするためにも弊社では、大工さんの手間と材料を惜しまずに、セルロースシートを張った上に三十センチ間隔でヒノキの板を打ちます。この板を打つことでセルロースファイバーを百パーセント吹き込んでも壁の下地材になる石膏ボードを張ることが出来ます。

板を打たずに百パーセント吹き込んだ壁に石膏ボードを張ってみたことがあります。十二、五ミリの石膏ボードに周囲十センチ間隔、中通り二十センチ間隔で三十二ミリのボードビスを打ってみたところ、いっぱいに吹き込んだセルロースファイバーの圧力でボードが浮かび上がるように外れてしまいました。板を打たずにシートのみで吹き込みをする業者さんもおられると思います。柱内にシートをしっかりと止めるやり方で大丈夫…と言われますが、私は吹き込み量をセーブしなければ無理だと思っています。

長くなりましたので、今日はこれくらいにしたいと思います。

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