本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…8

今回は『気密ライン』、いわゆる気密をすべき所は何処が良いのか…について書きたいと思います。

気密は、基本的には建物の外部で行うべきだ…とという理由は5回目で『農業のビニールハウス』を例えにしてご説明しました。夏に熱く、冬に冷たい外気はまず建物の外部で遮断、建物その物に外気が侵入してこない様にすることです。そしてその内側に断熱です。

冷蔵庫を思い浮かべてみて下さい。庫内の冷気を保つために冷蔵庫の外部は金属の箱で造ってあり、内部のプラスチックの内壁との間に高断熱材が入れらています。ドアにはゴムのパッキンで外部の温度の影響を受けない様に気密を保つように造ってあります。

住宅も全く同様で外部で気密しなければなりません。室内のビニールシートで気密を取るなど本末転倒です。内部で気密を取るという事を冷蔵庫で例えると。断熱材が一番外部に張ってあり、内部に金属の化粧材が貼ってある事と同じです。外部に張ってある断熱材が空気を通さない発泡系の断熱材ならまだしも、グラスウールなどの綿系の断熱材だったら全く気密が取れないスカスカの綿状態ですので想像するだけで、全く使い物にならない冷蔵庫になると思います。

内部の石膏ボードを張る前にビニールシートを張って、気密測定をし『この住宅はとても気密が良い高断熱住宅』と思って建築業界で仕事をしている多くの人たちががなぜその肝心な所に気が付かないのかが不思議でなりません。

昨日聞いた事ですが、この度の断熱等級の設定に気密の基準も設けるようです。断熱等級6以上は気密測定を義務付けて、最低レベルで等級6のC値は0,5以下、等級7のC値は0,3以下にすべきと思います。付け加えて気密ラインが外皮側にすべきである事の取り決めもあれば我が国の住宅の断熱状況は一変すると思います。

真夏の50度位になる屋根裏でもも苦にならず断熱工事ができる方法は次回に書きます。