『縁の下の力持ち』的な仕事・3

ダウンライトの穴を開けた時にセルロースファイバーが落ちない様にする為に、あらかじめ箱を作っておいて、ダウンライトの穴を開ける所にその箱を前もって設置しておけば穴を開けてもセルロースファイバーが落ちることはありません。

その箱を最初は何で作ったか…といいますと、それは12ミリの合板、いわゆるコンパネです。新築の時に屋根下地として使用する構造用合板で、通常であれば処分してしまう幅が20センチ位ある端きれを捨てずに持ち帰っておいて、その合板で作っていました。

元々は処分してしまう、いわゆる廃品を有効利用出来るので『なんと素晴らしいことか…』と思いながら施工していましたが、作った箱が全てそのままカットもせずに天井裏に納まる…という訳ではありません。

天井下地の間に箱を入れますが、その箱のすぐ上に梁があったり、屋根垂木があったりで、箱に当たって天井に収まらない時は、当たって納まらない部分の箱を切り除かなければなりません。合板ですとその切り欠ぎが大変なのです。なるべく隙間を作らない様にぎりぎりにカットして僅かに収まらない時等は、1か所の箱を何度も何度も付けたり外したりを繰り返さなければなりません。

箱を作る材料でもっと適したものは無いのか…と色々と考えていた時、ふと25ミリの板状の発泡スチロールの断熱材で箱を作ることを思い付いたのです。合板で作ったダウンライトの箱は2現場で卒業しました。

合板で箱を作る時は、合板に墨を書き、丸鋸で切り、木工ボンドを塗り、細い釘を打ち組み立てる…と云う手順ですが、発泡スチロールの断熱材では墨を書くまでは同じですが、カットは、カッターで簡単に切れ、接着もシリコンコーキングと仮のテープ付けでで簡単に組み立てられます。

なんといっても具合が良いのは、天井の地組の間に取り付けた時に梁やタルキ等の障害物があった時でもカッターで簡単に切り除くことが出来、取り付けもスピーディー出来る所です。スピーディーに出来るといっても今回の現場では26個の箱を取り付けるのに、一人でおよそ6時間はかかりました。

大工さんが作られた天井地組にセルロースシートが付いた箱をダウンライトの取り付け予定個所にタッカーで止めます。次に箱のふたに該当する所のシートをカッターで切り除き、箱の上部から電気の配線を箱内に入れ、電線の周りをシリコンコーキングで埋めれば一つの箱の作業が終わります。それを今回は26個取り付けました。

過去のダウンライトの箱を作成した最高は1現場で80個です。母屋と離れの2軒ありましたが、同時施工でした。

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