断熱,気密、そして湿度・8

壁面の気密工事ですが、1階は土台から2階床の梁まで、2階はその梁から小屋の梁まで1枚で届く構造用耐力面材を張ります。面材の外周の四方が10センチピッチ、中が20センチピッチで指定されたビス又は、釘を面材に打ち込みすぎないように止めます。1階の屋根がある場合、1階の屋根が2階の壁に当たる所の面材は、2階床の梁から小屋梁まで、1階の屋根垂木を打つ前に張ります。寄棟の屋根の家の場合の面材打ちはこれで終わりですが、切り妻の屋根の場合は小屋梁の上の妻側の壁が残っています。

妻側の面材を打つ時にとても重要な事があります。妻側の面材は,屋根垂木を桁面に揃えて母屋に取り付け、その垂木上まで打ちます。このことで壁面と屋根面の気密が取れる下準備ができます。ここまでやれば気密工事が終わったという訳ではありません。桁と梁を締めているボルトなどの貫通穴、ベランダなどの持ち出しの『梁』、屋根垂木を受ける『母屋』等のところは面材をカットして打っているので、それらの所を入念に埋めていきます。大工さんが打ち損じた釘の穴も、全ての壁を確認して埋めます。

屋根は、屋根の合板で気密を取ります。重要なことは、壁と屋根の取り合い部分です。寄棟の屋根では四方全てに屋根垂木と軒があります。桁と屋根合板の間、いわゆる『面戸』と言う空間が四方にある訳です。高さが60ミリの垂木の場合、桁に垂木の欠き込みがある時はおよそ55ミリから屋根勾配に従って斜めに大きくなった『ここをつぶさなければ気密の数値が一気に落ちてしまう』と言う所です。

『高気密・高断熱』をうたい文句にしている全国大手や地場大手のハウスメーカーであっても、気密ラインを間違った『天井気密』で施工している住宅メーカーは、この『面戸』を潰していることはありません。日中、天井改め口から屋根裏に上がってみると、真っ暗なはずの屋根裏なのに『面戸』や、その他の色んな所から入る屋外の光が意外なほどによく見えます。昔の隙間風が良く出入りする家の天井裏と何ら変わる事がありません。

切り妻の屋根では、先ほど気密が取れる下準備が出来たという妻側も屋根裏に入って入念に潰します。小屋裏の気密の最終確認は、小屋裏に『投光器』を持って入り、投光器を消して真っ暗になった小屋裏内で屋外から入る明かりを確認して、ごく僅かな明かりが入っている所まで確実に潰して完璧な気密を取っています。

私が特にお伝えしたい所は、この重要な『気密工事』を人任せにせず、自分で行っているという所です。現在は、私と私の長男が、ポリスチレンフォームとシリコンを持って完璧な気密を求めて施工しています。

過去の気密数値である『C値』の最高値は、180平方メートルの床面積(外張り断熱の家でしたので、床下と小屋裏の体積を加えて2、6で除した数値を床面積に加算しています)に対し、隙間相当面積が18平方センチ、いわゆる『0、1』でした。この数値まで求める必要はないと思いますが、『水槽の様に水を張っても良い』と言う気持ちで気密工事をしています。

気密を取る時にとても重要な『気密ライン』につては次回で説明したいと思います。

 

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