これが遮熱シートです

いつもブログを読んでいただき有難うございます。

地場工務店総合見学会場のような団地では、昨日さらにもう1件の地質調査が行われていました。近じかもう1件の現場の工事が始まると思います。

弊社の現場は、昨日第3者機関による躯体検査を終え、サッシの取付けや防水透湿シートを張り始めました。

高温・多湿の日本で湿気を通す『透湿』は絶対に見過ごしてはならない所です。透湿シートが住宅に取り入れられるようになったのは、私の記憶が定かではありませんが20数年前です。弊社も、この透湿シートを採用するまでの外壁下地の防水シートとして、真っ黒なアスファルトルーフィングを張っていました。

この透湿シートもさらに進化し、シートにアルミを蒸着させた『透湿遮熱シート』が数年前から発売されています。アルミは熱を直に伝える『熱伝導率』がとても高いので煮炊きをするお鍋に使われています(最近はIHクッキングヒーターを使われる方が多くなったのでめっきり少なくなりました)。しかし、このアルミも太陽熱や遠赤外線を反射する能力は高く、屋根面や外壁の下に張ると、屋根材や外壁からの輻射熱を反射してくれ、屋根裏や室内側への熱の進入をかなり防いでくれます。

全ての住宅に採用するとかなりの率で省エネに繋がりますが、このシートも値段が通常の透湿シートに比べ倍以上はしますので、使用している会社は少ないようです。シートの値段が高いといっても1件の住宅に関わる価格の差額は、屋根と壁を全て使用したとしても、40坪くらいの家で7万円くらいです。

しかし、この透湿シートも只、張れば良いというわけではありません。遮熱シートの外部側には確実な通気層を設ける事が不可欠です。『通気層』とは、只、『外壁を浮かせれて隙間を確保すればよい』という事ではなく、空気の入口と出口を確実に造り、どの箇所をみても空気の通過する経路が遮断されずに空気がフリーパスで通過できる通り道を確保した層という事です。

空気が止まってしまうと屋根材や外壁が受けた熱がそれらの下地材に伝わり、アルミにとっては無条件降伏のような熱伝導で熱を取り入れてしまいます。

これらの通気経路を確実に取るためには、2重に施工する必要が発生します。これは多少お金がかかりますが、家全体で考えればたいした金額ではないと私は思っています。

全体の予算については、それぞれのお施主様で様々です。いろんな提案はさせていただきますが、物はよくても無料ではありませんので、それを採用されるかされないかはそのお施主様のご判断にお任せしなければなりません。

大切な事は、一生一度の大切なお住まいを計画されているお施主様に、いろんなことをお伝えして選択肢を広げていただく事だと思います。

お施主様は建築の専門家ではありません。当然のことながら、ほとんどの事がお判りになりません。自分の住まいをゆだねる住宅会社を決められたお施主様に対して『自分がその住まいに住むならば……』と、本当に親身になって考えないといけないのです。何事についても『知らない』『知らされない』では済まされないのです。

まして、住宅が造る側が『知らない』では、お話になりません。

遮熱.JPG

この銀色に反射しているのが『遮熱シート』です。