断熱施工に入ります。団地は建築ラッシュです。

いつもブログを読んでいただいて有難うございます。

前回ブログを書いて後の約10日間は、朝パソコンの前に座る時間がなくてブログを書く事が出来ませんでした。

この10日間の間に弊社の現場の工事は進み、小野田の現場では基礎工事の最終段階の立ち上がりコンクリート打設を行いました。一方宇部の団地の現場では電気の配線工事が終わり、これから断熱施工にはいります。

気密、断熱にこだわっている弊社としては力を発揮したい所です。本来であれば、新聞古紙から造った『セルロースファイバー』を吹き込みたいのですが、お施主様のご都合で『ロックウール』を使用します。

ロックウールでも徹底した施工をすればまずまずの断熱効果は出ると思います。建物のモジュールは柱間の寸法が910ミリの関東間です。断熱材は、通常どこの住宅業者でも関東間用の420ミリを使用しますが、私は、壁の中に断熱の隙間(断熱欠損部)を少しでも少なくする為に、あえてメーターモジュール用の470ミリ幅のものを使用します。

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天井は、厚みを77ミリにしますが断熱材の隙間が出ないように『縦横に2枚重ね』にして施工します。グラスウールやロックウール、ウールブレス(羊毛)など、ある一定の寸法に製品化されたものを天井に敷く場合は、電気の配線や天井の吊り木が邪魔をして断熱の欠損が出やすいのです。

新聞古紙から造ったセルロースファイバーですと、壁には専用機械を使って『吹き込む、押さえつける』の繰り返しで、壁をたたくと『パンパン』と本当に中身が詰まっているなと感じる位、1平方メートル当たりおよそ5キログラムの断熱材を『隅から隅までずずい~っ』と充填します。天井では、電気の配線も天井の吊り木もその他にある天井断熱施工の邪魔になる物全てを、まさに『雪がしんしんと降り積もるよう』に20~30センチの高さで吹き積もらせます。

セルロースファイバーは、断熱材でありながら『防火』『防虫』『防音』『調湿』の効果を併せ持ち、その施工方法によって断熱欠損が起こりにくい素晴らしい断熱材なのですが、施工価格が他の断熱材と比べて高いのと、住宅を施工する立場にある住宅施工会社の断熱に対する認識の低さというか、知識のなさというか『知ろうともしない』者が多い為に、日本では普及していません。

断熱の施工は、おそらくほとんどの住宅会社が大工さんに依頼をしていると思います。セルロースファイバーの場合は、断熱施工の専門の方に依頼をしますが、ロックウールの場合は、弊社も大工さんに依頼をします。依頼はしますが、最後に私が断熱欠損がないか『施工チェック』をします。

住宅を造る立場にあり、断熱を施工する全ての人が、断熱の事を本当によく勉強して『断熱施工士』の資格を取らなければ断熱工事をしてはしてはならない……というくらいに厳しい基準を設ければ、これから造る日本の住宅はもっと省エネに繋がります。

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地場工務店の総合展示場の団地では、弊社に他に2棟が上棟を済ませ、この週末にはもう2棟の上棟が行われるようです。1社は会社の方針で、上棟後の大工さんの工期が25日という取り決めがされていると先日直接聞きました。

その会社が言うには『よい住宅を安く提供する為』とのことですが、私には『早く造り、より多くの利益を上げる為』が第一の目的であると確信しています。同じ数の社員で10棟造るよりも20棟造らさせれば、社員に支払う給料や経費はさほど変わりません。そうすれば、その会社の売り上げが倍になっても経費が倍になるわけではなく、当然の事ですが利益が上がります。

住宅会社を決められるお施主様は、この『建前と本音』に気づかなくてはなりません。ほぼ100パーセントといってもいいと思いますが、ほとんどのお施主様は、『極端な工期の短縮を望まれる事』はありません。会社の方針で大工さんに工期を切る(決める)という事は、その住まいづくりに『お施主様の姿』はなく、まさに『お施主様不在の家づくり』であると断言します。

一生に一度の大きな買い物である『住まい』です。お施主様ご本人が図面上で判断ないところは沢山あるはずです。自分がこれから一生住んで行かなければならない家が、気づく暇(いとま)も与えられずに出来てしまうという事に私は同意する事が出来ません。

住宅の外部、内部。建物が建ち上がった後に、実際に現場でいろんな事を確認しながらお施主様と打ち合わせして工事を進めて行く、その時に専門家からのアドバイスもさせていただく。これこそが『お施主様の立場に立った』家づくりだと思っています。

当然のことながら『早い家づくり』は不可能になります。かといって価格の高い家になるわけではないのです。それぞれの会社の言い分、何処の会社の言う事が正しいのかは、住宅会社を決められるお施主様が決めなければなりません。

早く造る、工期を短くするには『パターンを同じにする(流れ作業のように、毎日同じ事ばかりやっていれば、その仕事は早くなります)』『細かな要望は聞かない』『造る側は当然知っている事でも、めんどくさい事はお施主様に提案しない(お施主様ご自身が気づかれて依頼があった時は追加金を高く取る)』『職人さんに金銭的なことも含めて無理をさせる(職人さんも毎月決まったお金を稼ぐ為には朝早くから、夜遅くまで働く)』『定められた事を無視する(手を抜く)』などでしかないと思います。

こんな事でほんとによいのでしょうか……。

私は私のやり方で『自分が納得できる仕事』をするしかありません。

長くなりました、小野田の現場の写真も掲載します。

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