構造用面材を張りました

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地場工務店総合展示場のような団地の現場。弊社は昨日、柱や梁などの外部側(外壁の内側になります)に構造用専用面材をほぼ張り終えました。

木造住宅の水平強度を確保する為に通常は、柱と柱の間に斜め材(筋交い)を入れます。このやり方でも計算前の強度の確保は可能ですが弊社では、さらに安定した強度の確保が可能な『面』による施工をしています。

構造用面材を張って水平強度を保つ工法は、ツーバイフォー住宅でよく見かける事が出来ます。筋交い工法では、計算前の強度が確保されいても筋交いがある壁だけ、又、筋交いが接している柱だけに引き抜きや圧縮の外力が加わります。

柱や梁などを全て板状の面材で張りめぐらせば、計算前の壁だけでなく。小さな窓の周囲や中連窓の上下など計算前は耐力壁でないところでも役割を担います。

ツーバイフォー住宅が日本国内でヒットし始めた30年前頃、ツーバイフォー工法の利点を分かりやすく説明する為に、柱と梁で造る日本古来の在来工法(木造住宅のことです)がマッチで例えれば、マッチの軸で構造を組んでいるので外力に対し弱いとし、ツーバイフォー工法はマッチの箱で構造を組み、上下四方の6面体にするので左右、水平、斜めのそれぞれの外力に対して強いとしていました。

日本古来からある『在来木造軸組み工法』も、それらの流れを踏まえて進化し、在来工法の長所はそのままに短所を克服した『在来木造軸組み構造面材工法』が採用されるようになりました。しかし、以前からある筋交い工法と比較して、面材の材料代とそれを張る工賃が筋交いを入れる材料代と工賃にかかる費用が高くついてしまうというマイナス面があるためか、なかなかこの工法を取り入れているところを見かけません。

構造用面材を張ることで、『強度』の他に『気密』の確保やその他にもメリットがあるのに何故取り入れないのかが不思議でなりません。この構造用面材工法を取り入れる事によって発生するプラス金額は建坪にして1万円はかかりません。そのお金を余計に掛ける、掛けないは工務店の社長次第だと思います。お施主様は、知らない、知らされないのですから……。

ローコストを売りにしている(最終的には決して安くは収まらないのですが)タマホームやアイフルホームなどは採用していると思います。地場の工務店では何処が採用しているかは、その事のみを調査しているわけではありませんので知りません。

このたびの団地で、他社4棟の建築が同時に進みますので確認する事が出来ます。(1棟はツーバイフォーと聞いていますので、構造用合板張りになると思います)。

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写真は、構造用合板に比べて腐朽菌に侵されにくく、白蟻による食害も少ない(製造メーカーデータによります)という構造用専用面材です。