本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…15

グラスウールと似たような袋入りの完成品の断熱材として、鉄鋼スラグなどから作った『ロックウール』があります。又、袋に入っていませんが、横幅の寸法が決められて大きなロール状態で納入される羊毛から作った『サーモウール』があります。

ロックウールの施工方法はグラスウールと同じですが、ロックウールに送風機械で吹き込む商品があるかどうかは判りません。又、10年位前にお客様のご希望でサーモウールを一度使用した事がありますが、当時はまだ製品の厚さが薄く、スカスカ状態で施工マニュアル通りに施工しても断熱欠損なしという訳にはいきませんでした。

サーモウールを施工した当時は『次世代省エネルギー基準』、等級でいえば『4』でしたので等級を『6』にあげれば当然の事ですが『厚さと密度』が増す事と思います。密度が増したサーモウールの実物を見れば断熱材として納得が出来るかもしれませんが実物を見る機会がありませんので何とも言い難い所です。

これまで説明しました様に、予め寸法が決められて製品化された断熱材を寸法が一定でない所にきっちりと入れる事はとても難しくどうしても断熱欠損が発生しやすいのです。やはりこれらの事を考えてみますと、断熱材を吹き込む工法が一番だと思います。

送風機で送れるほどに小さな綿状態にした断熱材を『風』の力で隅から隅まで送り込み、圧縮、送り込みを繰り返してそれぞれの所に充填していきます。寸法がばらばらでも一切関係はありません。ただしあまり小さな所には吹き込みが難しいので『発泡ポリスチレンフォーム』などの板状の断熱材をきちきちにカットして入れます。

断熱材の吹き込み工法で注意すべきところはやはり吹き込み量です。吹き込み量をいかに確保するかは次回の「セルロースファイバー』の項目で書きます。