本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…12

今回から、断熱住宅の重要なカギを握る『断熱材』について書きたいと思います。

我が国で最も多く使用されているわれている断熱材はガラスを溶融して作る『グラスウール』です。他には鉄鋼スラグ等から作る『ロックウール』、羊毛から作る『サーモウール』、新聞紙から作る『セルロースファイバー』、ウレタンフォームやポリスチレンフォーム、フェノールフォーム、現場で吹き付けて発泡させる工法などがあります。

私は、現場で吹き付けて発泡させる断熱工法は施工経験がありませんので、現場発泡のコメントは控えさせていただきます。

断熱材の施工については、構造体の内側の柱や梁などの間に断熱材を入れるのが『充填断熱工法』です。構造体の外部側に断熱材を張るのが『外張り断熱工法』です。

グラスウールが最も多く使用されているのは、住宅に断熱材を入れなければならないといわれ始めた頃に一番早く市場に出た事や、価格が他の断熱材と較べて安い事、施工が簡単にできる事等だと思います。

我が国の高度成長期に、それまでの土を塗って壁を造る『湿式工法』から、柱と胴縁で壁を造る『乾式工法』に替わりました。家造りを簡単にし、手を抜き、工期を短縮しなければ『家が欲しい』という需要が多すぎて供給がとても追いつかないという時代がありました。

その頃の家は、天井、壁、床のどこにも断熱材が入っていませんでした。その後グラスウールが登場し、『住宅に断熱材を入れる』という概念が発生しました。とはいえとはいえその施工レベルは、『断熱』とはとてもいい難い物でした。家の断熱をするという知識がまるでなかったのです。

誠に残念な事ですが、現在でも家の断熱をする…という事に対して真剣に向き合っている建築会社はとても少ないのです。

断熱材の種類に分けて次から書きます。